文珠でかき揚げそば(浅草)
文殊は戦略的に駅近で展開している立ち食い蕎麦のチェーン店である。
それにしたって浅草店の立地はずるい。銀座線浅草駅から松屋側、東武浅草駅に続く連絡通路の中間にあるのだ。通勤、通学でたくさんの人が通るなか、ふわっと蕎麦の出汁と醤油が香ってくるのだ。頭の中に蕎麦がインプットされてしまうから、その場では食べられなくても今日の夜に寄って帰ろうかな、なんて気になってしまう。
営業時間も早朝から終電あたりまでやっている。朝ごはんや、ちょっと小腹が空いたとき、締めの一杯、どんなときでも食べられる。この立地とシーンを選ばない食の提供が強みになっているのだろうと思う。
そしてなにより蕎麦がちゃんとおいしいというのがいい。チェーン店でよくある茹でおきではないから、ぷつぷつ切れるような蕎麦ではなくて、つるつると喉越しよくすすることができる。
つゆもほんのりと出汁がきいていて、醤油の濃さに頼らないおいしさがある。雑味のようなものがなくてすっきりしているので、つるみのある蕎麦とも相性がいい。
今回はかき揚げ蕎麦(380円)を注文した。かき揚げは衣が厚めで汁をよく含むタイプ。桜海老がいいアクセントになっていて、食べすすみやすい。かき揚げ蕎麦がトータルでバランスがいいなという印象がある。
ちなみに定食もあって、カレーライスとセットにできたりもする。人気店なので長居するのはアレかなと注文したことはないのだが、カレーも食べてみたいな。
浅草地下街はディープスポットのような紹介がされることもあって、ちょっと近寄りがたい雰囲気もあるにはあるが、この文殊に関しては通路沿いにあるし立ち食いで手軽に食べられるので浅草でさくっとご飯を済ませたいときは立ち寄ってみてほしいと思う。