おでんやでお酒(京成立石)
立石は東京に出てきてはじめて働いた場所だったからほとんどのお店に行ったことがあるのだけれど、こちらのお店は少々特殊だ。呑んべ横丁の中にあるので騒々しいお店を想像していくとびっくりすることになる。落ち着いた店主さんがひとりで切り盛りされているこだわりの強い店で、おでん屋さんというよりは小料理屋という雰囲気がある。
立石といえばもつ焼きという印象はあるが、もつ焼きのあとの2軒目としていくと入店を断られる。また酔っ払い風な方や、声が大きい方も断られているのを見たことがある。そう聞くと怖そうな店主なんじゃないかと思うかもしれないが、一度話しを始めるととても気さくでどちらかといえばおしゃべりな方だと思う。お酒のことを聞くと嬉しそうにいろいろと教えてくれるし、自家製の梅酒なんかをサービスで飲ませてくれたりもする。座敷もあるのだけれど、できればカウンターに座って店主さんと話しながら飲んだほうがいい。逆にいえば、そうでないとあまり楽しめないと思う。
とりあえずビールを頼むと今日あるものを教えてくれる。お任せするとおつまみを一品、二品程度出してくれる。提供スピードはかなりゆっくり。カウンターがいっぱいだと出てくるまでは相当な時間がかかるのでのんびり待とう。
おでんも同じ。順番に提供しているのでいくら煮込まれているおでんといえどもゆっくりだ。先に注文だけしておいてゆっくりお酒をいただくといい。
おでんは関東風。しっかりと醤油がきいている。変わり種もあるので、そのあたりも店主さんとお話しながら注文するといいと思う。
一度気持ちよく飲めるスタイルになってしまえばいつまでもいたくなるような空間だと思う。おつまみがなくなれば、お酒に合うおつまみをといえば、冷蔵庫をごそごそ探ってメニューにないものも作ってくれる。
立石の再開発に伴って、近いうちの閉店は避けられない。休みの日は移転先を探しているそうだ。少し人の多い立地で探しているということで、落ち着いて飲めるこの立石にあるうちに行っておかないとなと思う。