らーめん弁慶で背脂チャッチャらーめん(浅草)
昔はこの店の近くに住んでいて、切っても切れない間柄だったのだけれど、駅から遠いというただ一点の理由で遠ざかっていた。だけど、浅草寺をこえて観音裏まできてしまうとやっぱりここを思い出す。用事があってこの近くまできたら、いつの間にか店までやってきていた。
いわゆる背脂チャッチャ系というやつで、最近の高級ダシにこだわったラーメンからすると時代遅れの気がするが、それでも今日までお店が続いているのはそれだけの理由があるのだ。
らーめん(730円)はべらぼうに味が濃いというわけではなくて、見た目ほど脂っこくもない。
だがクリーミーでついつい飲んでしまうのがここのスープの特徴。背脂の甘みが背徳感を誘う。ああ、僕はいま太っているのだ。
レンゲを箸に持ち替えてもしっかりとスープに絡む中太麺がおいしさを運んできてくれる。チャーシューは素朴な味だが、やわらかくておいしい。これが弁慶である。
思い出補正もあるかもしれない。それでもけっして良いとはいえない立地で、人気ラーメン店として長く続いているのには、それなりの理由があるのだと思う。