すぎ田でとんかつ(蔵前)
もう10年近く前だがこちらのお店の近くに住んでいたことがある。当時から有名なお店だったから存在は知っていたのだが、敷居が高くなかなか訪れる機会がなかった。しかし、そこから海外に引っ越すことになり、最後にいいものをと奮発して食べたことを覚えている。
そのときにはじめて、とんかつという料理が洗練された日本料理だということを知った。
それから何度か訪問している。当時から比べるとおいしいものを食べる機会は増えたから、あのときほどの感動はなくなってしまった。それでも色あせないおいしさがあると思っている。
最近の有名とんかつ店は肉のレア感をうりにしていたり、ちょっと変わった食感の衣だったりが多い。それはそれでおいしいのだけれど、こちらは上品で丁寧なとんかつが食べられる。そしてそれが差別化されているポイントなのだと思う。
ロースを注文。ご飯と豚汁は別なので注意が必要。価格はちょっとお高めではある。
以前は衣が剥がれていたのだが、今回はそんなこともなく、さっくりした衣とジューシーな肉を味わうことができた。
お肉自体がかなりおいしいし、揚げ加減もレア過ぎず、揚げすぎずで個人的にちょうどよかった。いつも通り、おいしいとんかつには満足だった。
ただ、店主さんと店員さん(ご家族の方だろうか)との雰囲気の悪さが気になってしまう。これはもう毎回見ているので、もうそういう関係なんだと思う。それにしたって、だってなんだか、だってだってと思ってしまう。
今回はオーダーの順番ミスがあったようで、店主さんが「じゃあこれ先にカウンターさんに出しちゃうよ」と僕のとんかつがやってきた。そうなると僕は僕でなんだか余りものを出されたような気がしてあまり良い気分ではなかい。店員さんも店主さんの小言を無視しているので、もうここに関しては改善しないのだろう。浅草、蔵前周辺では断トツにおいしいとんかつ屋さんだと思っているので、この状況はなんだか悲しい。