旨味太助で牛タン（宮城県・仙台）
仙台出身の知人がどうしても牛タンを食べさせたかったみたいでしきりに牛タン屋にいこうとすすめてきた。寿司でお腹はそこそこ膨れていたので、それほどノリ気ではなかったのだが、せっかくなので行ってみることにした。
彼曰く、牛タンには昔ながらの歯ごたえのあるものと、最近の流行りの柔らかいものがあるらしい。柔らかいものは特殊な製法が使われているそうで、地元民は昔ながらの歯ごたえのある牛タン屋に行く。そしてこの旨味太助は牛タン発祥の地であり、地元民も通う店とのことだ。そこまでいわれてしまっては食べるしかない。
時間は19時半頃。店の前には数名の行列ができていた。ぱっと食べてさっと出るのがこの店のスタイルらしく、そんなに待たないということで行列に並ぶ。確かに10分ほどで入ることができた。
奥の席に案内され、ビールと「牛たん焼き」（1,400円）を2人前注文。お腹はそこそこ膨れていたので単品で注文した。
ふと横を見るとガタイのいい人たちがいる。よく見ると相撲の親方衆だった。マゲがないからわからなかったが、知っている顔もある。どうやら明日から仙台巡業があるらしい。豪快に酒を飲んでおり、なんとなく柄が悪い。店内には力士のサインなども飾ってあり、相撲好きの店なのだろうか。
しばらくして牛タンがやってきた。2人前が一皿に盛られていた。本日の提供牛たんという札があってカナダ産と明記されている。
さっそく食べてみると確かに歯応えがある。ただゴムのような硬さではなく適度に柔らかいし、歯切れも悪くない。焼肉店でちょっといい牛タンを食べているような感覚である。最近の牛タンはこれより柔らかいとなると、確かに不自然かもしれない。
添えられている漬物もおいしい。ビールを飲み飲み、牛タンを黙々と食べる。これが牛タン発祥の地の牛タンである。食べておいてよかったのかもしれない。
あとでいったスナックのママが「あそこは観光客しかいないよ！」と知人とまったく逆のことを言っていたのはまた別のお話。
