なんどりでベジミールス(荒川遊園前)
このあたりに引っ越してきたときからこちらのお店が近くにあったのは知っていた。あまり飲食店が多いとはいえない街でこれだけ高い評価を受けているお店は他になかったからだ。しかしながら、いままで4年ほど行く勇気がでなかった。南インド料理というものがどういったものか分からなかったのと、様々なレビューを読むととても文学的なものが多く、なんだか怖かったというのが正直な理由だ。しかし4年住んだこの街もそろそろ引っ越しということで勇気を出して訪れてみた。
何度か前を通ったことはあったのでこの賑やかな看板は知っていた。店頭には黒板があったりして、意外とフレンドリーなお店なのかもしれない。
勇気を出して店内に入ってみると、愛想のよい奥様が出迎えてくれた。カウンターには常連らしき方が2人いて、店主さんとレシピの話をしているようだった。聞きなれない単語がいくつも出てきていたのはおそらく南インドの食材のことだろうと思う。
注文したのはもちろん「ベジミールス」(1500円)。これは予習をしていったので知っていたが、南インドのいわゆる定食のことらしい。
卓上のメニューも説明があり、カレーとおかず数種、ご飯のセットとのこと。
カレーはサンバル、週替わりのカレー、それからラッサムというスープ。このサンバルとラッサムはセットで出てくるのが普通らしい。
ライスのうえにはパパドがのっかっていて、ちょっと戸惑う。パリパリ潰してご飯と一緒に食べたのだけれど正解だったのだろうか。いま知ったような顔でパパドと書いたがもちろんまったく完全に知らなかったのでネットで調べた。
正直なところ何がカレーで何がスープなのかもわからないまま食べていた。南インド料理に対して、このお店に対して失礼だったのかもしれない。「まぜまぜしていろいろな味をお楽しみ下さい」とあったので、まぜまぜしながら楽しく食べた。ゴーヤみたいなやつが苦くてちょっと苦手だなと思ったのだけれど、初体験の南インド料理は新鮮で満足できた。
やはりもう少し予習復習が必要だろう。コアなジャンルであればあるほど愛好者の知識は深い。生半可な気持ちで足を踏み入れてはいけないのかもしれないが、食の経験値としてこちらのお店を体験できたのはとてもよかった。