3206でデビルドサンド(神谷町)
なかなか難しい世の中になってきたなあと思う。いいものを作っていればいいという時代ではなくなってきたのか、いわゆるインスタ映えであったり、少し捻った名前であったり、とにかく身近な共有を促進するというマーケティングが必要な時代になっている。
こちらの人気メニューであるデビルドサンドもその成功例のひとつだろうと思う。意味としては悪魔のサンドイッチ、つまりはハイカロリーで我慢したいけど食べたいという悪魔の囁き的商品なのである。なるほど。そう言われてしまうとそんなサンドイッチを食べていることを周囲にいいたくなるのもわかる。
お店自体はいわゆるベーカリーフェで、イートインがある。キューブ型のクリームパン、それとパンオショコラをトレイにとってレジへ。ホットコーヒーを注文しカウンターに座る。
ああ、なんという普通の昼下がり。落ち着くわあ。ブラックコーヒーと甘いパンのハーモニーよ。もうお昼寝したい。
そんな気分になりつつ、ウインドウから忙しそうに歩くサラリーマンのみなさんを見て自分のダメ人間っぷりを再認識したり。
そうだこんなときはデビルドサンドだ。あれを食べることで怠惰で意志薄弱な自分を省みよう。ということでチルドの棚からサンドイッチをとり追加オーダー。
カウンターに座りじっとサンドイッチを見る。ああ、これが欲望に敗れしニンゲン共が食すものか。なにくそ僕は負けないぞ。サンドイッチをカバンに突っ込み店を出る。さあ、働こう働こう。やめらんねえ。