串かつ でんがなでチューリップ（渋谷）
でんがなまんがな言うてますけど、大阪弁の店名つけときゃええと思とんのかな。僕は大学時代まで大阪で暮らしていた。しかし、串カツを食べた記憶は数えるほどしかない。もっといえば大阪名物として串カツがあることをしらなかった。だからか串カツが懐かしいという気持ちもなくて、無性に食べたくなるといったこともなかった。
なんとなく酒が飲みたくなってぱっと見たらあったから入ったくらいのテンションだったわけだが、意外とよかった。渋谷という大都会で見上げればクレーン車がビルを作っている20世紀末感があるというか、エヴァ感があるというか。あの頃のノスタルジックな気持ちとギャップがよい雰囲気だった。
後輩がアホみたいにチューリップを頼んで、「チューリップってなんですか？」と聞くものだから、「アホ、チューリップはチューリップじゃ」なんていったり、「ホルモン焼屋になりたい」というやつに、じゃりン子チエかよという通じない例え突っ込みをしたり。
ここの近くに以前勤めていた会社があって、当時は僕も渋谷に通っていたんだなという懐かしさと、それとの対比による現在の幸福感が合わさって不思議と居心地はよかった。こういうのが串カツなのかもしれない。僕の中で串カツといえば渋谷になった日。
