バルスモーク寿燻工房で燻製料理(田原町・浅草)
燻製バルという酒好きにとっては心惹かれる店名。酒を飲むにはいい時間だったのだけれど、店内にお客さんはいない。「やってますか」と声をかけてカウンターに座った。
とりあえずハイネケンの生ビールを注文。店主さんに「最近できたんですか」と話しかけると、いろいろと経緯を教えてくれた。寡黙そうなご主人だが、いろいろとおもしろい話をしてくれるの。
燻製についてあまり知識がなかったので、メニューも相談しながら注文した。
とりあえずお通しと「ポテトサラダとコールドロースハム」をちびちびといただきながら、ビールを飲む。このポテトサラダも燻製で香りがしっかりついている。
ひとりなのであまり量は食べられない。おすすめを聞くと鮎が季節とのことだったので「鮎塩焼き」をいただく。もちろん燻製だ。大きさも立派。オリーブオイルとライムをかけていただく。燻された風味ライムの酸味が、ふっくらで少し淡白な鮎に合う。
燻製というのは香りづけが主なメリットなるのだろうか。ご主人に聞くと基本的にはなんでも燻製にできるとのことだが、素材そのものの香りが強いものには合わないということだろう。チーズなんかにはいいですね。
こちらのお店はワインも安く出している。カウンターの後ろにはボトルワインが並んでいて、確かに良心的な価格だ。今回はひとりだったのでグラスワインをいただく。
もう一品なにか注文しようとメニューを見ていると「瞬間燻製」という文字に目にした。なんだそれ。聞くと薫香をつけるために1分ほど燻製にするという方法らしい。気になったので「馬刺しの瞬間燻製」をお願いした。
チップに火をつけスモークを出す。それをガラスの蓋で料理といっしょに閉じ込め、少し待てばできあがり。蓋をとるともわっと煙がたちのぼる。やあ、いい香り。
この馬刺しがまたおいしかった。ひと手間加えてあるし、見た目もきれい。これでハイボール一杯を飲み干した。
店主さんがおひとりで調理も接客もされているので料理の提供には少し時間がかかるが、とても良いお店だと思う。料理はおいしかったしお酒も安い。あと、とても空いている。
浅草とはいえこのあたりは住宅が多い。浅草通りを雷門側にいけばそれなりににぎわっているのだけれど、反対側はお店がちらほらある程度。立地で少し損をしているかもしれない。常連さんがつけば長く続くお店になるんじゃないかな。