浅草観音裏でやっていたイベント「酔いの宵」がとてもよかったという話(前編)
浅草には浅草寺の裏側に観音裏と呼ばれるエリアがある。実際に住んでたこともあるのだが、にぎやかな浅草駅周辺とはちがって静かで観光客も少ない。なによりおいしい飲み屋がたくさんあるのである。
ただやはり下町ということで外観からでは入りづらいお店も多い。そういったハードルを取り払おうと観音裏にある飲み屋60店舗以上が協力してイベントが行われた。
それが「酔いの宵」である。
このイベントでは参加店舗それぞれに千円でトライできる「せんトラセット」というものが用意されている。基本的にはそのお店のイチオシのお酒とおつまみのセットになっていて、それを注文してすぐにお店を出てもOKとなっている。
いままで入りづらかったり、相場がわからなかったり、何を注文すればいいかわからないといったお店に対するハードルを払拭することで、新しいお店と出会うきっかけ作りができるイベントになっている。
ちなみにイベントは本日2月17日(日)までとなっている。最終日にこれを書いているというひどい話。というのも事情があってイベントがはじまった最初の週末に参加できず、参加できたのが終了3日前の15日(金)だったからだ。
いきなり知らない店は怖いので何度か伺っている「食堂うんすけ」さんに行ってイベントのルールを理解することにした。
まずは参加店舗に行き、店舗が一覧になっている小冊子と地図をもらう。地図の裏はスタンプラリーの台紙になっていて、たくさんお店に行くことがキャッシュバックを受けられるシステムだ。
キャッシュバックは15店舗で1,000円からはじまり、60店舗制覇すると10,000円+名前入りジョッキがもらえるらしい。60店舗行くということは単純計算で6万円使うということだが、それで1万円返ってくるのはなんだかすごい。
ルールが分かったところで「せんトラセット」を注文。
飲み物は好きなものということだったのでとりあえずビールをいただく。
おつまみは肉じゃがやおひたしなどの盛り合わせ。最初の一軒目としてはすごくちょうどいいぞ。
ビールをいただいると男性おひとりでイベントに参加している方が入ってきた。既にたくさんまわられている方だったので、どこのおつまみが美味しかったといった情報をいろいろと教えてくれた。こういう話ができるのもこのイベントのいいところだ。
2軒目はフレンチの名店「ルディック (Ludique)」さん。いつか行ってみたいと思っていたお店だ。こんなしっかりとしたフレンチレストランに気軽に入れるなんて。
飲み物は赤ワインか白ワインとのことだったので白ワインをお願いした。
お料理は猪の挽肉が入ったミートソースとマッシュポテトをオーブン焼いたもの。
こんなちゃんとした料理が出てくるなんて!
バゲットもつけていただいて贅沢に白ワインを楽しむ。
これを1,000円で楽しめるのはやはりすごい。お店によって内容が全然違うのも楽しい。
3軒目は「象潟 細井」さん。今回のイベントではじめて知ったお店さんだけど、外観だけ見るとなかなか入る勇気が出ないお店だ。
とても気さくに迎えてくださって、「どのくらいまわったんですか?」と話しかけてくれる。メニューを見ると想像よりもずっとリーズナブルで普段でも来れそう。笑福亭鶴瓶さんとの写真がたくさん飾ってあったので贔屓にしている店なのかしら。
お酒はどれでもOKという太っ腹さで、日本酒の「作」をいただく。そしておつまみはなんとあん肝!
しかもそれだけじゃなくて串も2本ついてくる。これで1,000円だと……。
あと2杯くらい飲みたい気持ちを抑えて次の店に向かう。お腹も少し膨れてきたので腹ごなしに吉原ほうに足をのばすことにした。
煌びやかなお店のネオンとレトロで怪しげな喫茶店を横目にすすむと目当ての店があった。韓国居酒屋「ぽらむ」さんである。こちらが4軒目。
こちらのお店もはじめてだったのだけれど、観音裏では有名らしく、たくさんの方からおすすめされてやってきた。
お酒はなんでもOKとのことだったので「半マッコリ」をいただく。
こちらがおつまみ。豚肉とえのきの下にはもやしが入っている。これがこちらのいつものお通しらしい。
熱々の石鍋で混ぜるとこんな感じ。
これをおろしポン酢でいただく。めちゃくちゃ美味しい。
ここで我慢できなくなってはじめて追加注文。店舗紹介に書いてあった名物の「にんにく玉子ご飯」。ラー油のピリ辛さと強烈なニンニクでめちゃくちゃ美味しい。
店主さんも気さくに話してくれた。お隣に座ってらした常連さんからもこの界隈のおいしいお店についていろいろと情報をいただけて楽しいお酒だった。
この日の最後は蕎麦。なんと「せんトラ」セットで蕎麦が一人前食べられるのである。お店はこちらの「WASABI」さん。
お酒は蕎麦湯割り。この日も寒かったので温まった。
焙煎されたそば殻を蕎麦湯割りに少しずつ入れながら飲むのがおすすめとのこと。
そしてお蕎麦がこちら。このボリュームで1,000円なんて思い切りますねと店主さんに尋ねると、「イベントなんでがんばりました!」とおっしゃっていた。参加する側としては嬉しい限り。
締めに蕎麦が食べられるなんて最高の夜だ。5件まわって5,000円である。や、多少追加オーダーしたのでもう少しかかっているけど、それにしたってお得である。
すっかり味をしめてしまったので翌日も来ることに決めて今夜はここまでとした。
明日へ続く。