Hommage(オマージュ)でフレンチ(浅草)
浅草近くにはじめて住んだのが約10年前。そこから少しずつ浅草を勉強をして、なんとか少しだけは友人を案内できるようになったり、語れるようになってきた。来月には浅草に関する本も出させていただくなんてこともあって、こちらのお店に来ていなかったことになんとなく不甲斐なさがあった。いままでにもチャンスがあっただろうに。
今回はもろもろのお祝い、お疲れ様ということで予約させていただいた。
席に案内されるとお着物をお召しの奥様が挨拶をしてくれた。噂通りのおきれいな方で、休むことなく動き回ってみなさんに接客されているのが印象的だった。
ファーストドリンクを聞かれ、まずはシャンパンで乾杯。
アミューズは5品とのこと。じゃがいもがのったタルト、鰊、マーラーカオ、鮎、ムール貝のムース。以前にも書いたがフレンチにはあまり明るくなくて、それでもこの独創的な料理の数々には驚く。これは一体なんだろうと考えながら前から横から上からと覗き込んで、ちょんとつまんでえいやっと頬張ってみると、なるほど美味しいとなる。
今日はおすすめの雲丹があると一品増やしてもらった、雲丹を白ごまと豆腐で白和えをイメージしたもの。もちろんそのまま食べてもおいしいはずの雲丹が、こういう料理になるのかという感動がある。
パンは自家製なのかしら。もっちりしたものとハードなものの2種類いただいた。無塩バターとさっぱりしたオリーブオイルでいただく。
続いての料理はチェリートマトとホオズキ、それにモッツァレラチーズが入ったものにメレンゲでできたおせんべいのようなものをのせている。仕上げにトマトのコンソメをかけていただく。メレンゲが甘く、さっぱりしたトマトがまたちがった味わいになる。
金目鯛はパッションフルーツとバターのソースでいただく。隣には茶豆が添えられている。皮がぱりぱりに焼かれていて、身が甘い。そのままでもおいしい。白ワインに変えてもらう。
ダニエル・キャスタンのフォアグラにはたっぷりとハーブがのっている。その間には生ハムといぶりがっこ。なんという複雑な味。いぶりがっことチーズなどを合わせることは多いが、フォアグラに合わせるというのはすごい。
仔羊は卵黄をベースにした仔羊自身の油を使ったソースで。横には玉ねぎ、ジロール茸、鰯。仔羊の肉なんてあまり食べることがないのだが、こんなに甘いものなのだなと思う。もちろん火入れのすばらしさなのだろう。
もうすでにお腹がいっぱいだ。品数の少ないコースにしておいてよかった。
デザートも盛りだくさん。まずは雷おこし風味のブラマンジェ。一口で食べるととろっとしたソースが溢れてきて、確かに雷おこしのような味が口に広がる。これどうなっているのだろう。
次はポルチーニ茸とセップ茸が入った梨のジュレとグラニテ。梨の爽やかで冷たい味がある一方できのこの濃厚な味があとからやってくる。こんなデザートはじめてだ。
デザート最後は桃のアイス。
食後にコーヒー。プチフールで人形焼きのようなフィナンシェとカヌレ、それから浅草の老舗である小桜さんのかりんとうをいただいたのだけれど、食べきれなくて包んでもらった。
個人的にこのクラスのフレンチは少し背伸びした感が否めないけれど、お祝いということで。理解は追いついていないかもしれないが、単純にお腹と心は堪能させていただいた。フレンチの勉強もちゃんとして、またお邪魔したいと思う。
- 作者: 青山七恵,藤野可織,村田沙耶香,淺川継太,谷崎由依,中山智幸,羽田圭介,戌井昭人,加藤千恵,荻世いをら,松田青子,片瀬チヲル
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