やきとり大吉で焼鳥(東向島)
大学生の頃にビールの味を覚え、しかしながら金はないから頻繁に酒を飲めるわけもなく、しかしそんなときに大吉でマグナムドライが一杯100円で飲めることを知ったから、毎日馬鹿みたいに酒を飲んでは嘔吐していた。大吉にはそんな思い出がある。なんとなく関西の焼鳥屋というイメージがあったが、たまたま見かけたから懐かしくなって入ってしまった。
いわゆるチェーン店ではあるがオリジナルメニューも多く、ある程度は店の裁量にまかされているようだ。
ご夫婦でやられているようで、とにかく接客が温かくて気持ち良い。入ってくるお客さんすべて顔見知りのようで親しげに話をされている。しかし初見の僕を邪険にするわけでもなく、丁寧に応対してくれたから、間違いなくここはいい店だ。
とりあえずビール。
つまみで百万馬力というものを注文。
刻みしょうがにんにく味噌というややこしいものだったが、これがおいしい。にんにくだが、ほんのり生姜がきいていて、お酒のつまみとしては最高。
オリジナルメニューの皮ポン。
焼鳥屋さんなので焼鳥は当然おいしい。はさみ(ねぎ間)、肝あたりをとりあえず焼いてもらう。
ご主人が常連さんと会話しながら焼いている姿はチェーンの焼鳥屋さんであることを忘れる。もちろん肉はそれなりのものだが、焼き加減は硬くならず、しっかり火が通るいい具合。
オリジナルメニューのみぞれ焼きはおろしだれがかかっていてさっぱり食べられる。さすが焼鳥屋さん、から揚げも串にささっている。
チェーン店といってもいろいろあるのだなとあらためて感じることができた。ある程度システマチックにやったほうがブランド的にも都合はよいのだろうが、この大吉はお店に任せる部分が大きいのだろう。そしてそれ以上に接客がすばらしく、気持ちよくお酒を飲むことができる。
ちなみに思い出の大阪の大吉は火事になって焼けてしまったそうで、本当に思い出になってしまった。いま思い出せば、あそこの店長さんも優しかった。これまでの大吉いいい店率は2分の2で100%である。つまり大吉は全店いい店ということになるな。統計学的に。