主に浅草で食べたものを記録していくよ

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ジャンプで将棋マンガがはじまるらしいけど将棋マンガっておすすめしにくいよねという話。あと将棋マンガ7つ紹介します。

9月14日発売の少年ジャンプで池沢春人先生の新連載「ものの歩」がはじまるそうだ。将棋好きとしてはうれしい。

www.shonenjump.com

 

ところで、将棋マンガは数あれど、人におすすめできる作品となると難しい。囲碁だと、「ヒカルの碁」という不朽の名作がある。設定が少々SFチックだが大半の人が楽しめる娯楽作になっている。将棋マンガにも名作と呼ばれるものはあるのだが、じゃあいざ将棋をあまり知らない人におすすめするとなるとこれがなかなか。

 

将棋マンガの紹介がてらオススメしにくい理由もあげていこう。

先に書いておくが、僕はどの作品も大好きである。

 

連載中の将棋マンガ

「3月のライオン」

3月のライオン 1 (ジェッツコミックス)

3月のライオン 1 (ジェッツコミックス)

 

「ハチクロ」が大ヒットした羽海野チカ先生の作品。

15歳で将棋のプロとなった桐山零がひょんなことから関わることになった川本家の3姉妹との交流を通じて成長していくストーリー。

個人的にはとてもすばらしい作品だと思っている。特に本筋の間に挟まれるそれぞれのプロ棋士の苦悩、葛藤、人生を描いているところがすばらしい。

 

オススメしにくい理由

「ハチクロ」を読んだ方なら分かると思うのだけれど、羽海野チカさんは人間の心理や、黒い感情を描くのがうまい漫画家さんである。川本家の底抜けに明るい描写がバランスを取っているとはいえ、圧倒的に落とされる場面も少々ある。主人公の境遇などもかなりえげつない(実際の将棋界をオマージュした部分もある……のではないか)。単純に将棋の楽しさを伝えるという作品ではない。

 

「ひらけ駒!」

ひらけ駒!(1) (モーニング KC)

ひらけ駒!(1) (モーニング KC)

 

南Q太先生の作品。残念ながら休載中。

将棋に熱中する小学校4年生の宝と母親とのほのぼのとした日常を描いている。小学生の将棋の世界をリアルに表現していることが特徴。作者の息子さんも将棋にはまっているらしく、エッセイ的要素も入っているのかもしれない。将棋マンガとしては新しい切り口で将棋を描いており、大きく分けると日常系マンガだが引き込まれる作品。

 

オススメしにくい理由

将棋の世界をすっきりと説明してくれている作品で初心者にもとっつきやすい。しかし、プロでもない小学生を描いており、どちらかというと将棋を題材にした親子の成長物語の側面が強い。端的にいうと派手さがない。それでもこの作品が一番オススメしやすいのかもしれない。

諸事情あり、休載中なのが残念。

 

連載が終了した将棋マンガ

「ハチワンダイバー」

ハチワンダイバー 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

ハチワンダイバー 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 

知名度としては一番高いかもしれない。ドラマ化もされた柴田ヨクサル先生の将棋マンガ。

プロになれずに挫折した菅田が賭け将棋を生業として怠惰な生活をしていたとき、「アキバの受け師」と呼ばれる女性真剣師、中静そよとの勝負に負け、それがきっかけで将棋への情熱を取り戻す、というストーリー。この後は説明が難しい。

 

オススメしにくい理由

将棋マンガというには設定が突飛すぎるのと、後半はほぼバトル漫画である。

柴田ヨクサル先生は「エアマスター」というバトル漫画を連載していたので、それも仕方ないかもしれない。しかし先生自身もプロを目指していた過去があり、渡辺明に飛車落ちで勝利するなど、かなりの実力者であり、将棋描写に関してはかなり考えられている。ただ読後は「バトル」と「おっぱい」しか頭に残らないこともしばしば。

 

 

「月下の棋士」 

月下の棋士(1) (ビッグコミックス)

月下の棋士(1) (ビッグコミックス)

 

劇画界の巨匠、能條純一先生による名作将棋マンガである。2001年に連載終了しているので、すでに14年が経過しているということに軽く眩暈をおぼえる。

主人公、氷室将介は幼い頃から祖父に将棋を習い、その祖父の遺言からプロ棋士を目指して状況してくる。その型破りな性格と将棋スタイル、そして強さで一躍注目を集め、順調に昇段していくが、名人である滝川と出会い、挫折を味わう。滝川に勝つことを目指し、氷室はさらに将棋の高みを目指す。

 

オススメしにくい理由

将棋中に失禁するわ、吐血するわ、挙句死んだりするから。

将棋を知らない人が読んでしまうと、将棋界がとんでもない修羅の国だと思うのではないだろうか……。いや、おもしろいんですけどね。

 

 

「ナリキン!」

ナリキン! 01 (少年チャンピオン・コミックス)

ナリキン! 01 (少年チャンピオン・コミックス)

 

14歳にしてプロ棋士になった成金歩がひょんなことからサッカーと出会い、プロサッカー選手として契約することに。将棋の戦術を駆使して弱小クラブを立て直す。

だんだん説明が雑になってしまって申し訳ないです。

 

オススメしにくい理由

これは将棋マンガとは言いづらく、どちらかとサッカーマンガである。将棋とサッカーという発想は実は以前からプロ棋士の間でも言われたいたことで、それを実際に漫画として表現したことはすばらしいと思う。キャラクターも個性が強く、おもしろい。ただ、最後が唐突に終わってしまうんですよね……。

 

 

「しおんの王」 

しおんの王(1)

しおんの王(1)

 

アニメ化もされた安藤慈朗先生の将棋とサスペンスを融合させた作品。原作のかとりまさるは元女流棋士、林葉直子のペンネームである。

幼い頃に両親が殺害され、言葉を発することができなくなった紫音。両親を殺した犯人は捕まることなく、事件は迷宮入りする。8年後、将棋の世界へ進む紫音。しかし、8年前の犯人と思われるストーカーから付き纏われる。次第に蘇る記憶。犯人の思惑は。

 

オススメしにくい理由

内容はかなりマンガチックで現実離れしている。ただサスペンスとしてはおもしろく、中盤以降、ストーリーに引き込まれていくだろう。ただ、林葉直子さんが監修したにしては将棋がお粗末で、盤面の状況もよくわからない。合間に将棋の解説を挟むのであれば、もう少し丁寧に描いてもよかったのではと思う。こちらも将棋マンガとしてオススメ!とは言いづらい。

 

「王狩」

王狩(1) (イブニングKC)

王狩(1) (イブニングKC)

 

瞬間記憶ができる主人公、久世杏は幼少期のある事件がきっかけで将棋の世界にであう。奨励会員となった杏はプロ棋士になるために邁進する。

 

オススメしにくい理由

かなり現実に即した奨励会員の状況を描写している。そのため奨励会員の将棋を指す苦しさや焦りをしっかりと描いていて、読んでいるとなかなかに辛いものがある。主人公は特殊能力を持っているのだが、それで将棋が強くなるわけでもなく、その力をどう活かすかの葛藤がありおもしろい。しかしそれは逆に将棋経験者向けに描かれているということで、将棋のことをしらない人にはさっぱりわからない心理描写などが多いように思う。3巻で打ち切られてしまったのも残念。

 

まとめ

長くなりすぎたのでこんなもんにしておきます。

全体的に将棋の楽しさをストレートに表現した作品というのは少なく、将棋を絡めた人間模様や心の葛藤などが描かれた作品が多いように思います。それでも上で挙げた作品はすべておもしろいので、もし興味がでたら読んでみてほしいと思います。

「3月のライオン」を読んで将棋に興味がでたら、他のものも読んでみるぐらいがいいんじゃないでしょうか。もちろん新連載の「ものの歩」にも期待しています。

 

ではまた。