麺屋吉左右でつけ麺(木場)
都内屈指の人気店でつけ麺体験をしたくなってしまった。行列ができているってことは分かっているが、別にいいのだ。並べば食べられるなら並ぶよ。そんな強い気持ちで店に到着すると並びは10人ほど。思っていたよりも少ない。最初から覚悟していれば精神の平衡を保つこともできる。
店頭にある券売機で先に食券を購入して椅子に座って待つタイプである。奥様がたまに出てきて注文を聞いてくれる。「つけ麺」(890円)をオーダー。基本の麺量が300gと多かったので、200gでとお願いした。
最終的には30分ほどで入ることができた。むしろ早い。もっと待ってもよかった。
ほどなくしてつけ麺が出てきた。
このシンプルさが歴史を感じさせる。オープンが2006年ということだから、干支一回り以上も東京で人気を博し続けているということだ。これは本当にすごいことだと思う。
スープは定番の魚介豚骨。
こんなにすっきりした魚介豚骨ははじめてだ。つけ麺が一時期ブームになったとき、猫も杓子もつけ麺屋になり、スープは工業化され、関係ない業態までつけ麺をはじめた。次第に飽きられ、ちがう斬新なスープが出てくる中で、評価され続けるというのは、それだけのこだわりを持ってやっているからだろうと思う。
麺は自家製麺だそうだ。
もちもちの太麺で小麦が香る。きれいで雑味のない麺である。これが濃厚スープに合うわけだ。
濃厚なスープと太麺なんて当たり前の組み合わせだけれど、そんな中で突き抜けるのはすごい。逆に新しい発見に思える。
卓上のポップスタンドに「すべて手作りの手間ひまかけ」と店主さんの言葉があった。
麺もスープもチャーシューも手作りである。そこに美味しさが伴って評価され続けているということだ。
最後にスープ割りをいただく。
やあ、満足感のあるつけ麺だった。これは並ぶ価値のあるお店だと思う。