はる季でお酒とひとくちピザ(北千住)
買い物目的で訪れた北千住。正直あまり詳しくはなくて、荒川区に住んでいた頃、突発的に仕事を辞めて失業保険をもらいにハローワークに来ていたときの暗澹としていた無職の思い出が蘇る程度。いまもたいしてかわんないけど。
ただ興味深い飲み屋がたくさんあることは知っていたので、一杯飲んで帰るかと路地裏をふらふらしてみることにした。ただこの日は正月三日。どこも開いていない。そりゃあそうだ。かといってチェーン店に入るのも味気ない。とりあえず開いているよさげな店に入ってみることにした。
満席で2軒断られ、3軒目に入ったお店。小奇麗な看板が外に出ており、店は2階になっている。階段をのぼると女将さんがドアを開けて出迎えてくれた。どうやら階段の入口にセンサーがあったようだ。
カウンター数席とテーブルがいくつかある。意外と広い。ただテーブル席にはほとんど予約の札が置いてあった。人気店なのかしら。開店してすぐという時間だったので先客はおらず、座ることができた。
とりあえず瓶ビールをたのみ、メニューを見ると日本酒が充実した家庭料理の店のようだ。お通しは菜の花のおひたし。
注文したのはポテサラ、刺身3種。ポテサラはハムたっぷりマヨネーズたっぷりのまさに家庭のポテサラ。ブラックペッパーがきいていていい。素朴なおいしさがある。
刺身は平目、マグロ、タコ。特別いいものというわけではないが、居酒屋としては鮮度はよい。正月だからか女将さんが真澄をお猪口に一杯入れてくれた。
気付けばお客さんがどんどん増え、しかも僕以外の全員が常連さんのようだ。中にはスーツケースを引いて、ひさしぶりなんて入ってくる方もいた。家庭的でサービスもいいから常連さんが増えるのだろう。
お酒をいただいたので追加で大七をいただく。おつまみには人気とかいてあったひとくちピザを注文した。
餃子の皮のような大きさのピザが4枚。さっくりしたクリスピータイプのピザだ。本当に家で食べるようなおいしさがあって、なるほど人気になるだろうなと思う。
ただちょっとアットホーム過ぎてだんだん知らない人の家にきちゃったみたいな気持ちになってきたので、そろそろお暇しますねと出てきた。会計して階段をおりると、下までご主人が出てきてくれて「また来てくださいね」と見送ってくれた。最後までアットホームじゃねえか、てやんでえ。と江戸っ子になったりしつつ、また酒をもとめて北千住をふらふらしよう。