まさるで江戸前天丼(浅草)
存在はもちろん知っていたがなかなか勇気が出なかった天丼屋さん。なんせメニューはひとつしかないのである。そしてその価格が3,700円なのである。そりゃあ勇気が出ない。しかしながら、価格も含めて経験しておかなければいけない天丼であることは間違いないはずだ、と自らを奮い立たせ、御託を並べ、言い訳を作り、お金をおろしていざ。
開店直後ということもあって先客は一組だけでカウンターに通してもらった。
メニューはひとつだけなので、確認のみでオーダーが通っていく。お味噌汁が200円ということでつけてもらう。
待つ時間もエンターテインメントである。ドキドキわくわく、冷や汗をかきかき。ジェットコースターに乗る前のような感覚だ。
しばらくして天丼がやってきた。丼のふたが立っていて、中が見えない面を前にしておかれる。「こちらが正面です」という店員さんの説明。具材が大きすぎてふたが閉まらないなかでも、開けたときの驚きを提供しようということだろう。
ふたをとる。そそり立つ天ぷらたちが目の前に広がる。見ただけで素材の良さがわかる天丼なんてはじめてだ。
この日は車海老、メゴチ、穴子とのこと。まずは車海老からいただく。
身がぎゅっと詰まっていて歯を押し返してくるほどに弾力がある。こんな海老を天丼で使ってもいいものなのかというちょっとしたカルチャーショックを受ける。やはり経験だけで考えてはいけない。
タレはあっさりしているし、ごま油も使っていない。いわゆる江戸前天丼とは大きく違う。
車海老は頭も食べられる。やあ、好きなんです。頭。かりかりっと食べると9割くらいの確率で口の中を切るんだけど、そんなの関係ないとバリバリいただく。
メゴチのふっくらした身を楽しみながらご飯をかきこむ。ご飯にもこだわりがあるのだろう。これが天丼に合うご飯なんだと思ってしまうほどに説得力がある。
穴子は本当に大きい。それなのに身はぷりっとほくほくしている。するすると喉に吸い込まれていくようだ。具材がたっぷりで先にご飯がなくなってしまいそう。
最後に味噌汁を飲んでほっと一息。やあ、おいしかった。これがまさるの天丼か。
外国の方も楽しそうに食べていて、このおいしさや演出、価格も込みでひとつのアトラクションなんだろうと思う。いいものを食べた満足感やメモリーが残る天丼。おいしかったし、楽しかった。
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