PATISSERIE ASAKO IWAYANAGIでパルフェビジュー マング(等々力)
毎月のように通う方がいらっしゃるほどの人気店。しかもメインはパフェである。普通であればそんなところに僕のような小汚いおじさんが一人で行くわけにはいかない。あくまでたまたま通りかかり、たまたま雨が降っていたから雨宿りに入ってみたら、たまたまパフェの人気店だったということにするしかない。
雨が降った朝、開店5分後に間に合うように電車に乗る。等々力駅に降り立つ。改札を出ると運悪く小雨が降っていた。「ついてないな」と独り言ち、小走りで線路沿いをすすむ。このままでは服が濡れてしまう。「お、こんなところにカフェがある。雨があがるまで少し時間をつぶそう」と誰でもない何かに伝え、店に入ることに成功した。
カフェ利用と伝えると、雨だったせいかすぐに案内してくれるそうだ。先に注文をするシステムらしく、メニューを見せてもらう。パフェは定番2種類と季節のパフェがあるとのことだったので、季節のパフェをお願いした。
カウンターの一番奥に座ると、店員さんがいきなり丸まった紙の入った小皿を持ってきた。そしてそれに水を注ぎ、「おしぼりです」と。
お、おう。どうもすいません。と、もうかなりのテンパりを見せる。こんなに難しいシステムなのか。
10分ほど待つとパフェがやってきた。「パルフェビジュー マング」。マンゴーパフェだ。店員さんが一つずつ説明してくれるがテンパりすぎてあんまり頭に入らない。とにかく美しい。
一番上にはマンゴーとパッションフルーツがドンとのっていて、そのサイドにはアイスが2つ。そこにチョコレートが触覚のように2本刺さっている。パッションフルーツってどうやって食べるんだっけと思いながら、スプーンで果肉をいただく。マンゴーを食べて皿にのせると、いよいよめくるめくパフェとの甘い時間がはじまる。
パフェなので当然順番に層になっている部分を味わっていくわけだが、このひとつの器の中にどれだけの味と食感が隠れているんだというくらい飽きさせない仕立てになっているのがすごい。もちろん甘いマンゴーはたくさん詰まっているし、ジュレやソースは酸味があってアクセントになる。これだけ盛りだくさんなのに一体感もあって、食べ物の組み合わせというよりはデザインアートのような感覚だった。
満足感で満たされる。ああ、良い一日だった。と、午前10時半に思う。外はまだ雨が降っていたが、だいじょうぶ。折り畳み傘がある。さて、駅まで戻ろう。
多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 (Sanctuary books)
- 作者: Jam,名越康文
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