麺屋ま石で雲丹三種盛り鯛らーめん(銀座)
篝の跡地にできたラーメン屋さん。お寿司屋さんのま石が手掛けるラーメン屋ということで話題になっていた。先客は5名ほど。篝のあの行列に比べればなんてことはない。若い店員さんが流暢な英語で外国人客に「ここは篝じゃないけどOK?」と聞いていたから、間違えて来る人は多いのだろう。
実際に外国人のカップルから話しかけられて「篝ってラーメン屋を探してるんだけど知ってる?」と聞かれるなどして、「篝は銀座ステーションのEchikaってとこにあるよ」と教えたりした。
並びはたいしたことなかったが待ち時間は長め。ようやく通されてなるほどと思う。席がコの字型に7席しかないことに加えて、接客のために店員さんが真ん中に立っていて丁寧にテーブルを拭き、箸置きなどをセットしている。そしてラーメン自体も丁寧に作っているようで提供はゆっくり。そこは寿司屋ということなのだろう。
さて注文。ベースは鯛らーめんでトッピングが選べる仕様になっている。しかしそこはもうこれしかないと雲丹三種盛り鯛らーめんを注文。2,500円也。
やあ、すごい。こんなビジュアルのラーメン見たことない。そしてまた雲丹がうまい。
わかります。わかりますよ。雲丹はラーメンに入れるものじゃないって。別々に食べたほうがおいしいって。でもそれとこれとは話が違う。こういうところからイノベーションは生まれるのである。
スープベースは鯛ではあるが、それほど鯛感は強くなくて、時間が経てば経つほど雲丹の濃厚さに支配されていく。どんどん味が変わっていくスープの儚さよ。
別皿で鶏ハムとメンマが提供されるがまさに添え物で、とにかく雲丹である。
ラーメンのスープをレンゲですくうと雲丹が入っているのだ。そんな経験いままであっただろうか。ラーメンという入れ物に入った雲丹を食べている感覚だ。
ラーメンとしてのバランスは崩壊しているが、それを差し引いてもインパクトのある雲丹の味。
意外にも量はあって、もったいなから雲丹をすくってはスープを飲んでいたら最後まで飲み干してしまった。
なんだかボリュームではない満足感があった。
それにしてもずっと目の前に店員さんが立っているのはなかなか落ち着かないものである。寿司屋のように会話を楽しむスタイルだったのかもしれない。そのうち、「今日は鯛のいいのが入ってますよ」「お、じゃあそれラーメンに入れてもらおうかな」みたいな感じになるかもしれない。やだな、それ。