鰓呼吸でホッピーなど(品川)
品川はやはりビジネス街のイメージが強く、シティな香りがあまり得意じゃない自分としては敬遠してしまう土地ではあるのだけれど、東京で仕事をしていれば訪れることはままあるわけで、その後にどこで飲んで帰ろうかとなると、自宅方面に帰るか、連れがいれば五反田界隈まで出ようかとなることが多い。
唯一この西口出てすぐのビルの中にはいくつか居心地のよさそうな店があって、しばしば利用させてもらっている。お値段は品川価格ではあるが。
ここの良いところはお通しがお刺身であることだ。どうせ刺身を頼むのだからお通しで出してくれれば、お通し代も気にならない。この日はしゃぶしゃぶ用のお鍋まで出してくれて、鯛などをしゃぶしゃぶして食べることができた。
浜焼きなどは充実しており、特別な素材というわけではないのだけれど、貝を炙って醤油をたらせばなんでもうまいというのは世界の理であり、それに従っていれば幸せなわけだから、僕は貝を炙ったものに流されて生きていきたいと思うのだ。
少しお酒がすすめばお値段も気になるところなので、ひたすら蟹味噌甲羅焼きなどをしゃぶりつつ、ホッピーを飲んでいればよい。
ここにいる間はシティであることを忘れることができる。繰り返すがお会計のときに割と現実に引き戻されることが多いので、身構えておいたほうが賢明だ。ただ、会計以外は下町のそれで、隣の人と肩を寄せ合ってお酒をすする。品川が苦手なあなたにおすすめ。