主に浅草で食べたものを記録していくよ

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妻が乳がん手術を受けたときに考えたこと

※結果的に乳がんではなかったのでタイトルは釣りです。

 

朝のニュースで北斗晶さんが乳がんで手術をするという話題にかなりの時間を割いて報道していた。女性コメンテーターが専門家の先生に矢継ぎ早に質問を投げかけており、女性にとって他人事ではない病気なんだなとあらためて思った。

 

僕の妻は乳がんの疑いがあり、腫瘍の摘出手術を受けたことがある。結果は良性だったので、結局乳がんではなかったわけだけれど、手術を受けると聞いたときから結果が出るまでの数週間は気が気ではなかった。

 

何故、良性の腫瘍なのに摘出手術を受けたかというと、手術をした場所が海外だったからだ。詳しくないのだけれど、日本の場合は腫瘍が悪性と判断できたタイミングで手術をするらしい。ところが僕がいた国では腫瘍が肥大化し、医師が摘出すべきと考えたタイミングで手術を行うことができるようだ(間違っていたらすいません)。

妻の場合は、過去の検診で発見された小さな腫瘍が急激に拡大していると診断され、悪性かどうかはわからないが放っておけば悪性になる可能性もあるらしく、摘出すべきという判断になったようだ。

 

驚いたのは手術するという判断がたったの1日でされたことだった。だから僕は「手術をする」という判断だけを妻から聞いた。医師が検査結果を確認し、妻に伝え、その場で手術を打診し、そして妻は同意をしたわけだ。

妻から言われたことは

「この日に手術を受けることになりました」

という報告で、相談ではなかった。

 

妻が不安な様子は見て取れたので、軽く言っているわけではないと思い、彼女の判断に任せることにしたのだが、それでも手術をする必要があるのかというのは自分としても悩んだし、インターネットで調べたりもした。

 

手術を受けるということは体を切るわけだから傷は残る。手術をせずに良性か悪性かを確認できるまで待ち、良性であればそれに越したことはないんだから、とも思った。しかし、待っている間に腫瘍がどんどん大きくなって手遅れになってしまうという可能性も少ないながらあるらしく、それであれば何か言って妻の判断を惑わせるべきではないと結論を出し、そうした。

 

いざ手術となったときに考えるのは最悪の場合になったときのことだったりする。人間だったら当然のことだろう。

 

最悪の場合は腫瘍が悪性でもう手遅れである場合だ。

 

まず考えたのは仕事を辞めようということだった。少なくともできるだけ長く妻のそばにいなければならないだろうと思った。貯金は数百万ほどあったので、それを切り崩して、あとは親に借りるかバイトでもしようと。

悪性だったからといってすぐに寝たきりになるわけでもないだろうし、新婚旅行でまわれなかった北海道の北のほうをまわる旅行に行こうと考えていた。なんというか、「悪性だったからできることが増えた」という強引なプラス思考を持とうとしたのだと思う。いま考えると何言ってんだという話で、癌だったからプラスなことなんて何一つもないな。

 

もともと「悪性の可能性は低い」「手術は念のため」と言われていて、手術自体も1時間ほどで終わる簡単なものだったのだが、僕としてはそんなことは全然関係なくて、確か癌である可能性が10%程度だと聞いたと思うのだけれど、それがとんでもなく高い確率である気がして、毎日ぐるぐると悪いことを考えていたことを覚えている。

しかし、ネガティブな気持ちにさせるような言動は身体にもよくないと何かに書いてあって、できるだけ平常心で妻には接するようにしていた。癌という言葉はとてもとても恐ろしいものだ。

 

良性であったにしろ腫瘍を摘出したのはいいことだったのだろうと思う。乳がんについて考える良い機会になった。いまだから言えることだけど。

 

僕のこの経験ですらこうなのだから、既に乳がんと診断され、全摘出手術を受ける北斗晶さんやご家族の不安は計り知れないものがあります。無事に手術が成功することをお祈りしております。