韓国嫌いへの差別
昔、仕事関係で知り合った人と食事会があり、その人から食事の場所として新大久保の本場韓国料理屋を提案されたので、正直に「韓国苦手なんですよ。別の場所にしませんか?」と伝えた。
すると、
「チミィ、韓国が苦手だっていうのは差別じゃないのかい?そんな盲目的に韓国嫌いだと主張しなくても、これだけ韓流が流行っているのだから好きだといっても何も恥ずかしくないだろうウンタラカンタラ」
と軽く説教を受けた。
韓国が苦手と大っぴらに言えないこの世の中である。
僕は韓国のことを知らないわけではない。だって韓国に住んでいたから。
一人で韓国で働いていた。江南区のヤンジェという繁華街にほど近いところで引きこもっていた。週末にモノマートという日本食が売られているスーパーへ行き、一か月分くらいの食糧を買いだめて、仕事以外で部屋から出ない生活をしていた。
韓国人が悪い人だとは思わないけれど、仕事でたくさんの嘘をつかれ、騙された。
朝まで酒を飲みにつれていかれ、寝ずに仕事していた。
飲み会の話題はもっぱら竹島のことと、キムヨナ、パクチソンが優れているという内容で、「おまえはどう思うんだ?」と聞かれてヘラヘラ笑っていた。
何を食べても辛いし、コーヒーは甘いし、街は汚かった。
江南を一人で歩いていたら、おじいさんに殴られたこともあった。
韓国全土を出張して、経費節約のためにモーテル(ラブホテルみたいなところ)に泊まり、夜中3時にヤクザみたいな輩に部屋に踏み込まれたこともあった。
そこまで経験しているんだから「韓国が苦手」くらい言ってもいいんじゃないかなと思う。
というようなことを彼には伝えたのだけれど、「韓国」をネガティブな言葉で形容することがもう差別であるという認識があるらしく、なかなか分かってもらえなかった。これはもう「韓国のことが苦手な人」への差別じゃないのか。まあ、ただ新大久保には行かなくて済んだのでそれはよかった。
韓国にたくさん友達はいるけれど、二度と韓国に行くことはないだろうと思うし、あのときのことをいまさら思い出したくもないから、できるだけ韓国の話題には耳をふさいでいこうと思う。ああ、新大久保での数時間をガマンすればそんなこと話さなくてもよかったのかもしれないな。
ではまた。