主に浅草で食べたものを記録していくよ

優柔不断な無職がかわいい猫についてや、食べたものについて書いています。


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新入社員の頃の営業日報はふざけてた

入社してすぐの頃、営業をやっていた期間がある。いまはどうかしらないが営業には日報を書くことが義務付けられていた。誰が見ているかわからない日報を書くのは非常に億劫で、意味のないことのように当時の僕は思っていた。しかも若手の僕が部署の人の日報までまとめて書かなければいけなくて、わざわざ上司や先輩にヒアリングしなければならなかった。そのくせ内容はいい加減で、大半の日が

 

××月××日 営業日報

A

午前:社内業務

午後:社内業務

B

午前:社内業務

午後:取引先訪問、直帰

 

のような一行で終わるようなものだった。だから誰も読まないし、無駄に業務が増えるだけの悪しき習慣だと僕が思うのも無理はないだろう。

 

この日報は会社のポータルサイトにある掲示板にあげるので、いちおう全社員が読むことができる。しかし読んでいる社員はほとんどいない。だから僕はとんでもなく長い日報を書いてやろうと思った。誰も読んでいないし誰も活用していないくせに、業務として書かなければいけないのなら、できるだけ詳細に書いて、情報共有ツールとしてちゃんと使用し、それで読んでいないと言われるなら廃止しようと提案すればいい。こんな理由で日報を書き始めた。

 

どんどんめちゃくちゃになる日報

そう決意して全力で日報を書く日々がはじまった。営業の内容を詳細に記載するだけでなく、主観を入れた状況の解説や仕事に生かせそうな情報なども盛り込んだ。しかし、誰も読んでくれなかったし、何の反応もなかった。

そうなると次第にモチベーションが落ちてきて、どんどん関係ないことを書くようになっていった。当時の会社は幅広い分野の商品を扱っていたので、どんな内容でも言い訳はできるだろうと勝手に決めつけ、どんどん大胆なことを書くようになっていった。

例えば、当時流行っていたしょこたんの情報を盛り込んで、単語に全部「ギザ」をつけたり、好きだったグラップラー刃牙の感想を書いたりしてた。すごいな。クビになるわ。

 

意外にも日報が話題になりだした

そんなことをしていたらある日、一通の社内メールがきた。グループ会社の割とえらい人からで、意外なことが書いてあった。

「いつも日報を読んでいます。本社のことがよくわからなかったのですが、あなたの日報を読んで雰囲気を知ることができました。これからも楽しみにしています」(大意)

というようなことが書いてあったのだ。

それを受け取った僕は初めての反応にうれしくなり、ますます調子にのって、さらにいろいろなことを書くようになっていった。するとぼちぼちと反応がふえてきた。

反応が増えると否定的な意見も届くようになる。しかし、圧倒的に好意的な反応が多かった。なぜなら誰も営業日報を活用していないなかで、多少ふざけた内容だとしても情報共有ツールとして活用している僕のほうが見てくれとしてはよかったからだ。

 

しかし、とうとう説教

そんなこんなで社内の一部で僕の日報は話題になっていた。中には否定的な人もいたけれど、若手のやることだしと目をつむってくれたり、表立って批判する人も少なかったので、のびのびと書き続けた。

しかし、ある日直属の上司から呼び出された。とうとう怒られたのだ。怒られた理由は、「内容が日報を逸脱している」や「ふざけすぎ」などだった。しかし日報を日報として活用していたことで怒りづらかったのか、今後も書き続けてOKということにはなった。この頃には単純に書きたいから書いていた。

 

その後も書き続ける

それからしばらくして僕は営業を離れることになった。そこで一度日報から離れたのだけれど、1年後に一人で海外に赴任することになった。転勤である。海外で事務所を借りて一人ぼっちで仕事をしていた。

寂しくて本社の人に情報を発信したいなと思った。僕もまだいますよって。そんなときに営業日報を思い出す。部署としては営業ではなくなったいたのだけれど、掲示板は社員が自由にスレッドが立てられるようになっていたので、勝手に営業日報を書くことにした。

内容は申し訳程度の業務内容と海外暮らし初体験日記だった。これが本社で評判になったらしく、顔も知らない人からたくさんメールをもらえるようになった。僕の顔はしらなくても、「ああ、あの日報の人」と覚えてくれる人がたくさんできた。

 

意外と許される

営業日報(ではないけど)書いててよかったなという思い出。あのとき学んだのは社内ツールの使い方なんて自分で決めればいいんだなということ。日報なんて明確なルールはないんだから、最低限のところは守りつつ自由に書けばいいんだなと思った。あと優しい人が多い会社でよかったなと、そんなことを思い出した。

 

ではまた。