荒木屋で割子三代そば(島根県・出雲大社前)
はじめての出雲大社へ行くためにサンライズ出雲に乗る。
平日夜の車窓から会社帰りの人々を見て優越感に浸りながら個室寝台でビールを飲む。終点の出雲市駅までは12時間である。到着は午前10時予定だから、昼前からゆっくり蕎麦屋巡りをしよう。そんなことを考えながら眠りについた。
電車の中で目が覚めると様子がおかしい。朝6時を過ぎているのに姫路にも着いていないのだ。流れてきたアナウンスによると、先行列車が鹿と激突して2時間遅れているらしい。あらまあ。それはもうダメだ。二度寝しよう。
結局出雲に着いたのは予定時刻を2時間以上オーバーした12時過ぎ。そこから車を借りて午後1時にようやくお目当ての荒木屋さんにたどり着いた。開店と同時くらには入っている予定だったのに。
平日ということもあって店内はほぼ満席も、すぐに案内してくれた。注文したものは出雲名物の割子そば。今回は薬味のついた「割子三代そば」(1,090円)にした。
割子そばとは「割子」という三段重ねの赤い容器に入ったそばのことらしい。また、挽きぐるみのそば粉を使うため、色や風味が強いそばというのも特徴である。食べ方も特徴的でメニューにも食べ方が紹介されている。
一、割子そばの上に薬味をのせてください。
二、「の」の字を書くように少量のおだしをかけて召し上がってください。
三、食べ終わりますと残ったおだしを次の器に下げ、又同じようにおだしをかけて下さい。
四、残ったおだしは、そば湯の中に入れて飲んで下さいませ。
先に薬味とだしがやってくる。
薬味は海苔、青ネギに紅葉おろしだ。しばらくして三段重ねになったそばがやってきた。何もかかっていないそばと、有精卵がのったもの、それからとろろがのったものの3つである。
まずは何もかかっていないそばからいただこう。薬味をのせて「の」の字にだしをかける。
少し混ぜていただくと、思っていたよりもつるっと食べることができた。そばの実と甘皮までひくのが出雲そばの特徴なので、風味はしっかりしているのだろうが、反対に食べづらさがありそうだと思っていた。しかし、こちらのおそばはそんなことはなく、硬さはありつつも食べやすい。
見た目よりも一段がかなり小さいためさらっと食べ終わり、続いて有精卵入りのものに残っただしを入れていただく。そして次はとろろ入りと続く。
どれもおいしかったが、やはり何も入っていないおそばが一番おいしかった。食べる順番を間違えたなあと少し後悔した。
最後にそば湯。だしをそば湯に入れるという普段とは逆の順番である。出雲そばはおいしかった。出雲大社を後回しにしてしまったが、さすがにお詣りはしっかりしなければ。あー、時間が足りない。
もつ焼き 富士屋 神田駅前店でとろレバ刺し(神田)
4月に神田にオープンしたもつ焼き屋さん。東口を出て少し行ったところにも同じ名前の店舗があり、おそらく同じお店だと思う。他にも支店があるのかと思ったのだが、少し調べたところ見つからなかった。平仮名の「ふじ屋」も同系列なのかしら。そして神田に立て続けに出店するとは、ちょっとしたドミナント戦略なのだろうか。
そこそこお酒を飲んだ2軒目として利用。店内はかなりの混雑っぷりで、立地もよいし開店したてですでに人気になっているのだろう。
「名物生レモンサワー」(490円)は金宮焼酎のシャリ金が入っているようだ。これはこれでおいしいが、普通のレモンサワーでもいいな。
店名にある通り、もつ焼きがメインのお店ではあるのに串は一本も頼まず。かわりにお店のウリである「とろレバ刺し」(690円)を注文。ほとんど生のレバ刺しがやってきた。低温調理して、中の火が通っていない部分のみ提供しているらしい。
これがまあおいしい。臭みもなく、ちゃんとレバ刺しなのである。ひさしぶりにこの食感を味わったなあという感じ。意外と言ってしまうと失礼だが、正直安かろうの大衆居酒屋だと思っていたので嬉しい誤算である。
残念ながらお腹も膨れていたので、他に注文しのたはトマト、オニオンスライス、きゅうりという、ただただ酒を流し込むためのメニューになってしまった。
レバ刺しのクオリティを知れば、もつ焼きや他のメニューも食べてみたかった。もつ煮込みなんかもおいしそう。お店自体も清潔感があり、接客もしっかりしていた。次は一軒目でおじゃましようと思う。