たいやき神田達磨 本店でカスタードたい焼き(神田・小川町)
たい焼きのカスタードが好きだっていうのはなんとなく邪道感があるのでナイショにしている。もちろん餡子も好きだし、有名店にいけばとりあえず餡子を注文する。しかしカスタードが好きというのは抗えない個人の嗜好であり、ちょっと小腹が空いた午後3時などにはもうカスタード一択という有様である。
とはいえ老舗のたい焼き屋などは餡子のみという硬派な店も多いから街中でたい焼き屋を見つけても油断はできない。うっかりカスタードの口で近寄ってしまい、餡子しかないとなった場合のダメージは大きい。しっかりとメニューを確認してから気持ちを作っていくことが重要である。
その点こちらの神田達磨さんはカスタードが標準で用意されているため安心である。神保町周辺はカレー屋が多いものだから辛いものを食べたあとに甘いものということでたい焼き屋さんがたくさん用意されている。そういったときにこちらへくれば間違いなくカスタードが食べられるという寸法だ。
というわけで今回もカレー屋からのたい焼き。お店はワンオペのときも多く、焼きたてはあまり期待してはいけない。
羽根つきとはいえパリッとしていないこともままあり、むしろしっとりもちっとした食感を頭においておくと吉。何事も先入観を持たないようにすることは人生最大のライフハックであろう。
そうした頭の下準備をしてカスタードをがぶりといただければ、溢れ出るクリームを存分に楽しむことができる。かなり甘めなのでおやつとしてはぴったの罪悪感だ。この甘さを期待してまた食べてしまう。カレーからのたい焼きからのコーヒーという最強コンボを完成させよう。
上等カレーでトンカツカレー(神田・小川町)
関西風のカレーが食べられる店があるらしいということでやってきた。関西風とかいったけど、カレーがただ好きなだけで詳しいわけじゃないから関西風がどんなカレーなのかさっぱりわからないけど、まあ関西出身だし懐かしい気持ちになるんじゃないのかな。しらんけど。
いろいろ聞くところによると関西風というのは先甘後辛という四字熟語らしい。先に甘さがきて、後に辛さがくるということである。そのまんまだ。
あとカレーに生卵を入れるのは関西風らしい。しらなかった。いままで全国的にポピュラーなトッピングだと思っていた。幼い頃、母親が生卵、父親がウスターソースを入れていて、自分は母親派だったのでよく生卵を入れていたのだが、あれは地域性のあるものだったのである。カレーというのはむつかしいもんである。
こちらの上等カレーは無料で生卵がのっかってくるらしい。先に温泉玉子の食券を買ってしまっていたので返金してもらい生卵をお願いした。
注文したのは名物らしきトンカツカレー(880円)。しっかりオペレーションができているようですぐに提供される。
はじめは生卵を崩さずにそのまま食べる。
あ、甘い。ん、そして辛い。なるほど。これが例の新出四字熟語か。ひとつ賢くなった。
そしてえらいもんでこの味を懐かしく感じるのである。不思議な感覚だ。母親は先甘後辛カレーを作っていたのである。そしてそれが関西の文化なのである。知らず知らずのうちにそれで僕は育っていたのだ。こんなところで知るおふくろの味。玉子を崩して食べてもうまい。
そういうわけでこのカレーはべらぼううまい。懐かしい味ってのは舌が慣れているものだからおいしく感じないわけがない。関西のカレーが手軽に食べられるってのはこういう感覚なんだなと知る。きっとまた近いうちに来てしまいそうな気がする。それが思い出の味なのだろう。